アプリ紹介
「アプリ紹介」は、学習に困難がある子どもたちに役立つアプリケーションの紹介を目的としています。「魔法のプロジェクト」の実証研究に参加された協力各校の先生たちが使われたアプリを元に評価しています。
なお、「魔法のふでばこプロジェクト」で利用した推奨アプリの選定にあたっては、慈慶医療科学大学院大学 岡 耕平 博士の協力をいただいています。
障がい種別
アプリ利活用想定
障がい種別とアプリ種別毎の利活用想定と、具体的なアプリケーションは、以下からご利用いただけます。
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知的障がい、知的障がいを伴う自閉症
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電子メール
音声言語でのやりとりが苦手でも、文字による視覚的なやり取りができる/ゆっくり時間をかけて読み、理解できる
コミュニケーション・エイド
発話や音声言語理解が困難でも、シンボルや文字、録音音声の組み合わせを通じて周囲とコミュニケーションできる
地図 / GPS
自分の居場所や目的地への経路を把握する助けとする/自分の居場所を伝えて支援を求められる(事例7)
カメラ / 画像閲覧
生徒の動作や表情のフィードバックに鏡の代わりにカメラを通した動画を提示する(記録ができる/鏡より安全性が高い)
音楽再生
ことばの理解が難しい生徒にも、音楽やメロディを学習や作業のきっかけとして提示できる
デジタル教科書 / 教材
音声や画像、動きのある教材で障がいのある生徒も読書を楽しむことができる/ページめくりもタッチ操作で容易に行える
シンプルテクノロジー / おもちゃ
画面を触ったり発声すると反応するアプリを使って子どもの周囲への自発的な反応を引き出す
時間管理
先の予定/時間感覚を自分で把握することを助ける
プレゼンテーション / スライド
校外学習や実習などの情報を教師が生徒にわかりやすく伝える/言葉だけではわかりにくい情報をイメージで伝える(事例4)
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高機能自閉症、アスペルガー症候群
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電子メール
音声言語でのやりとりが苦手でも、文字による視覚的なやり取りができる
コミュニケーション・エイド
発話や音声言語理解が困難でも、シンボルや文字、録音音声の組み合わせを通じて周囲とコミュニケーションできる
地図 / GPS
自分の居場所や目的地への経路を把握する助けとする/自分の居場所を伝えて支援を求められる
メモ帳・ワープロ
音声言語でのやりとりが苦手でも、文字による視覚的なやり取りができる
概念マップ(マインドマップ)
文章つづって表現することが難しい感情や意見、考えを概念マップを通して表現する
カメラ/画像閲覧
口頭で表現できないことを写真で伝える/作業手順を視覚的に見せてもらって理解できる
音楽再生
音声言語の理解が難しい生徒にも、音楽やメロディを学習や作業のきっかけとして提示できる
録音
本人が聞き取れなくても、録音しておいた内容を人から説明してもらえる/聞き直して確認できる
デジタル教科書/教材
音声や画像、動きのある教材で障がいのある生徒も読書を楽しむことができる/ページめくりもタッチ操作で容易に行える
時間管理
先の予定/時間感覚を自分で把握することを助ける
プレゼンテーション/スライド
校外学習や実習などの情報を生徒にわかりやすく伝える/言葉だけではわかりにくい情報をイメージで伝える(事例4)
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読み書き障がい(ディスレクシア、ディスグラフィア)
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電子メール
紙とペンで文字を書くことが困難でも、キー入力して書ける(予測変換や仮名漢字変換との併用も有効)
ブラウザ/ネット検索/辞書
漢字や言葉の意味がわからなくても、すぐに調べられる
メモ帳・ワープロ
紙とペンで文字を書けなくても、キー入力して書ける(予測変換や仮名漢字変換との併用)
音声認識
紙とペンで文字を書けなくても、音声入力で文章を書くことができる
概念マップ(マインドマップ)
文章をつづって表現することが難しい感情や意見、考えを概念マップを通して表現する
ペイント/お絵書き
書字の過程を動画記録できるペイントアプリで、生徒の書字の結果からは見えづらい困難を教師が把握する(事例1)
カメラ/動画閲覧
手書きで書字をしてメモをとる代わりに撮影して記録できる
録音
文字がよくわからなくても、書字メモの代わりに録音して記録できる
デジタル教科書/教材
音声や画像、動きのある教材で障がいのある生徒も読書を楽しむことができる/文字の大きさなど見やすい表示に調整できる
アクセシビリティ機能
音声読み上げ機能や、画面のズーム機能を使い見えにくさを補ったり、白黒反転機能によりコントラストを調整して見やすくできる。
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注意欠損多動性障がい(AD/HD)
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電子メール
注意の転導で見落としがあっても、落ち着いて理解する、事後的に内容を確認する
ブラウザ/ネット検索/辞書
他人に質問することが苦手でも、自分で調べられる。
カメラ/動画閲覧
気が散って覚えておきたいと思ったことを忘れやすくても、見たままを撮影して記録できる
録音
気が散って覚えておきたいと思ったことを忘れやすくても、聞いたままを録音して記録できる
デジタル教科書/教材
音声や画像、動きのある教材で障がいのある生徒も読書を楽しむことができる/ページめくりもタッチ操作で容易に行える
時間管理
気が散って(または過集中のために)作業を見失っても、継続中の作業内容、休憩や作業時間の終了に気づける
プレゼンテーション/スライド
授業等の進行に合わせたスライドで、今何が行われているかを生徒が把握しやすく/注意を向けるべき場所をわかりやすくする
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肢体不自由
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電子メール
手紙などで文字を書く動作が困難でも、キー入力とメールならば伝達内容を書き、伝えられる
ブラウザ/ネット検索/辞書
通常の紙の辞書を持ち運び、頁めくりすることが困難でも、調べられる
地図・GPS
移動が困難でも自分の居場所を伝えて支援を求められる
メモ帳・ワープロ
文字を書く動作/メモした用紙を手でめくることが困難でも、キー入力で可能となる
音声認識
紙とペンで文字を書けなくても、音声入力で文章を書くことができる
ペイント/お絵書き
鉛筆で紙に書く動作が困難でも、直接指や体の一部を使って/自助具の補助により画面に書字や描画ができる(事例2)
カメラ/動画閲覧
文字を書く動作が困難でも、書字メモの代わりに撮影して記録できる
録音
文字を書く動作が困難でも、書字メモの代わりに録音して記録できる
デジタル教科書/教材
音声や画像、動きのある教材で障がいのある生徒も読書を楽しむことができる/ページめくりもタッチ操作で容易に行える/持ち運びも容易
シンプルテクノロジー/おもちゃ
画面を触ったり発声すると反応するアプリを使って子どもの周囲への自発的な反応を引き出す
ファイル共有
印刷物を他者へ渡したり持ち運ぶことが困難でも、タブレットPCやパソコンを経由してファイルの形でやりとりができる(事例9)
アクセシビリティ機能
指一本の動きだけで操作できるようにOSの機能を調整できる(例:iOS標準のAssistiveTouch)
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聴覚障がい
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電子メール
電話などでの音声の聞き取りが困難でも、文字による視覚的なやり取りができる
ブラウザ/ネット検索/辞書
漢字の形と意味はわかっていても音声での読みがわからずキー入力できない場合にも、手書き入力機能により読みが調べられる
メモ帳・ワープロ
音声の聞き取りが困難でも、筆談のツールとして使える
音声認識
他者の発話を文字に変換して読む事ができる/音声認識アプリに対して発声してみて、自分の発声の正しさを自分で確認できる
カメラ/動画閲覧
撮影したものを相手に見せて、状況説明の材料にできる/字幕付きの動画を教材として活用できる
ビデオ会議/動画配信/チャット
授業や講演等の遠隔要約筆記(ビデオ会議を通じて届く音声を遠隔地でタイピングし、テキストチャットで生徒に送り返す)
録音
本人が聞き取れなくても、録音しておいた内容を人から説明してもらえる
デジタル教科書/教材
聴覚を通じて得られにくい言語的な情報を、教師が生徒に視覚的な情報で提示することで補う
時間管理
予定に気がつきにくくても、自分で気づける(バイブレータとの併用も有効)
プレゼンテーション/スライド
聴覚を通じて得られにくい言語的な情報を、教師が生徒に視覚的な情報で提示することで補う
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構音障がい
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電子メール
音声での発話が困難でも、文字による視覚的なやり取りができる
コミュニケーション・エイド
発話や音声言語理解が困難でも、シンボルや文字、録音音声の組み合わせを通じて周囲とコミュニケーションできる
メモ帳・ワープロ
音声での発話が困難でも、筆談のツールとして使える
ペイント/お絵書き
タブレットPCの画面に書き込んで筆談ボードとして使い周囲とのコミュニケーションを助ける
カメラ/動画閲覧
撮影したものを相手に見せて、状況説明の材料にできる
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視覚障がい
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電子メール
書いた文字が見えないため自分が書いた内容が確認できなくても、伝達内容をキー入力して書き、音声読み上げを併用することで確認できる
ブラウザ/ネット検索/辞書
紙の辞書が文字が見えないため使えなくても、キー入力とネット検索により調べ物ができる
地図・GPS
自分のいる場所がわからなくても、人に伝えて支援を求められる(音声読み上げ、電子メールとの併用)
メモ帳・ワープロ
書いた文字が見えないため紙とペンの使用が困難でもキー入力で記録できる(音声読み上げとの併用)
カメラ/動画閲覧
生徒に見えにくい情報(例:鍼灸治療の手元の動きなど)を画面に表示した動画を通じて見やすく調整する(事例8)
録音
書いた文字が見えないため紙とペンの使用が困難でも、録音して記録できる
デジタル教科書/教材
音声や画像、動きのある教材で障がいのある生徒も読書を楽しむことができる/文字の大きさなど見やすい表示に調整できる(事例10)
シンプルテクノロジー/おもちゃ
画面を触ったり発声すると反応を振動で返すアプリを使って生徒の周囲への自発的な反応を引き出す
アクセシビリティ機能
音声読み上げ機能や、画面のズーム機能を使い見えにくさを補ったり、白黒反転機能によりコントラストを調整して見やすくできる。
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記憶障がい
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病弱
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電子メール
離れた場所との間(病院にいる生徒から教室の同級生)でコミュニケーションを行うことができる
ブラウザ/ネット検索/辞書
外出が難しくても、インターネットを通じて多くの情報に触れることができる
地図・GPS
外出が難しくても、地図と現地の映像を使って現地の状況を知ることができる
ペイント/お絵書き
タブレットPCの画面をベッドサイドで書き込み可能な電子黒板として利用できる
カメラ/動画閲覧
学校生活の様子など入院中に知ることのできない様子を動画を通じて知る
ビデオ会議/動画配信/チャット
離れた場所との間(病院にいる生徒から教室の同級生)でコミュニケーションを行い経験を広げる
デジタル教科書/教材
音声や画像、動きのある教材で障がいのある生徒も読書を楽しむことができる/ページめくりもタッチ操作で容易に行える/持ち運びも容易
プレゼンテーション/スライド
タブレットPCに授業のスライドを入れることで多くの資料をベッドサイドに持ち込み、充実した授業を実現できる
ファイル共有
学校と病院間、生徒間等で資料のやりとりを円滑にすることができる
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重度重複障害
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コミュニケーション・エイド
発話や音声言語理解が困難でも、シンボルや文字、録音音声の組み合わせを通じて生徒のYes/Noの表出を引き出す
カメラ/動画閲覧
生徒の動作や表情のフィードバックに鏡の代わりにカメラを通した動画を提示する(記録ができる/鏡より安全性が高い)
音楽再生
ことばの理解が難しい生徒にも、音楽やメロディを学習や作業開始の予告として提示できる
デジタル教科書/教材
音声や画像、動きのある教材で障がいのある生徒も読書を楽しむことができる/ページめくりもタッチ操作で容易に行える/持ち運びも容易
シンプルテクノロジー/おもちゃ
画面を触ると反応するアプリを使って生徒の周囲への自発的な反応を引き出す(事例5)
カテゴリー
「魔法のふでばこプロジェクト」実証研究成果をまとめた「障がいのある子どもたちのためのタブレット端末を利用した学習支援マニュアル」30、31ページに掲載の障がい種別とアプリ種別マトリックス表を元に以下のコンテンツが制作されています。
Facebook公開グループ「魔法のプロジェクト」
アプリレビュー
Facebook上の公開グループ「魔法のプロジェクト」アプリレビューは、2013年度に実施された「魔法のランプ」プロジャクトおよび2014年度に実施中の「魔法のワンド」プロジェクト研究協力校の皆様が実証研究に利用されているアプリの評価を行っているグループです。